◇吸収合併◇

合併とは、2つ以上の会社が合併契約を結び統合することで、合併することで2つ以上の会社の資産や負債などを統合して1つの会社とすることです。

合併には、以下2種類があります。(会社法第2条27号、第2条28号)
プッシュピン吸収合併」:一方の会社が他方の会社を吸収し、すべての権利義務を承継する。
プッシュピン新設合併」:当該会社がいずれも消滅して新しく会社を設立する

なお、吸収合併の場合、権利義務を承継する会社を「存続会社」、吸収されて解散する会社のことを「消滅会社」といいます。

今回は吸収合併について流れを確認しておきたいと思います鉛筆
合併の手続きでは、合併契約の当事者である会社間だけではなく、反対する株主、会社の債権者等様々な利害関係人との調整、公告手続、税務会計の確認、会社間内部の引継ぎ等、効力発生日までにあらゆる手続きを経なければならないため、スケジュールをしっかりと立てて漏れのないよう手続きを進める必要があります人差し指サイン

大丸1吸収合併の流れ大丸1 

小丸2合併の諸準備(合併契約の内容、債権者等について確認)
小丸2合併契約の締結
  ・存続会社・消滅会社の商号
  ・住所合併の対価と割当てに関する事項
  ・効力発生日の3つの記載が最低限必要
小丸2官報公告
 右向き三角2存続会社・消滅会社は債権者保護のために、官報公告によって、
  ・合併すること
  ・合併をする相手の商号、住所
  ・原則として貸借対照表の要旨、債権者が一定期間異議を述べることができる旨
  を掲載しなければならない。
※官報公告は1ケ月の掲載期間を要し、掲載までにも通常2週間ほどかかるため1か月半くらい必要となります。
小丸2債権者への個別公告
 右向き三角2官報公告と併せて、各債権者への各別の催告も必要。
※この各債権者への催告は、定款で公告方法を日刊新聞紙や電子公告と定めているときは、官報公告に加えて定款の公告方法による公告を行うことにより省略することができる。公告方法が官報である会社は各債権者への催告を省略することはできず、また、存続会社が株式会社である場合の消滅会社たる合名会社・合資
会社も各債権者への催告を省略することはできない

小丸2消滅会社の株券提供公告(新株予約権証券提出公告)
 右向き三角2消滅会社が株券等を発行している株式会社である場合は、効力発生日の1か月以
上前の日までに
、株券等の提出公告及び各株主等への通知が必要とされている。
株券発行会社においても、実際に株券を発行していない会社はこの手続きは不要
また、消滅会社が株券発行会社でその株主が1~2名程度の少数であれば、株主全員に株券不所持の申し出をしてもらうことにより、上記広告及び通知をしなくてもOK。
小丸2合併をする旨等の通知(株主総会招集通知)・公告、反対株主等への通知
 右向き三角2存続会社・消滅会社ともに、その株主等に対して、効力発生日の20日前までに
吸収合併をする旨等を通知又は公告する必要がある。これは単独でする必要はなく、株主総会の招集通知と併せて通知をしたり、合併公告と併せて公告をしたりすることもできる。
小丸2株主総会の決議
 右向き三角2原則として球種合併の効力発生日の前日までに株主総会の特別決議による承認が
必要となる。
小丸2吸収合併の効力発生
 右向き三角2存続吸収合併においては、登記が効力発生要件ではないため、吸収合併契約書において効力発生日と定めた日に吸収合併の効力が発生する。そのため、効力発生日として法務局が開いていない土日祝を定めることも可能
小丸2吸収合併の登記申請
 右向き三角2存続吸収合併の登記は、効力発生日から2週間以内に、①吸収合併存続会社の変更登記と②吸収合併消滅会社の解散登記を同時にしなければならない。

ちなみに有限会社を存続会社として吸収合併することはできません。有限会社を存続会社としたい場合は、合併登記の前に有限会社→株式会社への変更登記が必要となります電球

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