◇ 遺 贈 す る と 相 続 さ せ る ◇
「遺贈する」と「相続させる」
どちらも遺言者が死亡した場合に特定の人が財産を取得することになるという点で似ているのですが、実は大きな違いがあったりします
今回、相続人以外の第三者の方へ、不動産を遺贈する旨の遺言書を残されている場合の登記のご依頼を受けたのですが、改めて要点を押さえておきたいと思います。
遺言書の中で、
「次の不動産を〇〇に遺贈する」 と記載されている場合と
「次の不動産を〇〇に相続させる」 と記載されている場合で、
登記手続に関して以下のような違いがあります
「相続させる」と記載されている場合
登記申請任 単独申請でOK
被相続人の住所変更登記 不 要
権利証 不 要
印鑑証明書 不 要
登録免許税 1000分の4
であるのに対し、
「遺贈する」と記載されている場合
登記申請任 共同申請(受遺者と遺言執行者もしくは相続人)
被相続人の住所変更登記 必 要
権利証 必 要
印鑑証明書 必 要
登録免許税 1000分の20(相続人であると証明すれば1000分の4)
というように、「遺贈する」とした場合の方が、「相続させる」と記載されている場合の手続きよりも、必要な書類や手続きが増えることになります
また、同じ「遺贈する」と記載されている場合でも、受け取る相手が相続人である場合と、相続人以外の第三者である場合では、登記手続き上の違いはないのですが、登録免許税が変わってくることにも注意が必要です。
相続人である場合は1000分の4ですが、相続人以外の第三者の場合は、1000分の20となります。
遺言書の中で遺言執行者が選任されていれば、財産をもらう人と遺言執行者との共同申請でいいのですが、今回ご依頼いただいている件では遺言執行者が選任されていませんでした
遺言執行者の定めがない場合は、相続人全員が申請人となって手続きをしなければなりません。
もし、相続人が複数いて、そのうちの1人の方が手続きに協力してくれない場合は「遺言執行者選任の申立」という手続きがさらに必要になってきます
今回は、相続人がお1人だったので、申立ての必要はありませんが、受遺者が相続人以外の第三者であったため、登録免許税は1000分の20での計算になります…
「遺贈する」も「相続させる」も気を抜いているとそんなに変わりはないように感じてしまいますが、
やっぱり日本語って複雑ですね
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