◎ABC三為契約のAとCの利益相反◎
売買契約がAとBで締結されていて、さらにBとCで売買契約が締結されていて、CがAまたはBに受益の意思表示をして、Aが売買代金を受領することで所有権がAからC直接移転する、いわゆる第三者の為にする契約による直接移転取引がございました。
ここで、今回ぶつかったのが、AとBの代表取締役は全くの他人なのですが、Cの代表取締役がAの代表取締役と同一という案件です。
申請書上は、権利者C義務者Aということで、一見すると代表取締役が同一の法人同士の取引になるので、利益相反取引に当たるようにも見えます。
しかし、売買契約はAとCでは締結していないし、契約の地位の譲渡ではないので、利益相反取引には当たらないであろうという見解に基づき普通に利益相反議事録なしで申請したところ、利益相反に当たるというのが法務局の見解であるという連絡がございました。
登記研究741 P141によると、確かに買主の地位の譲渡におけるAとCの関係において、CがBの地位を承継し、契約当事者となるので、利益相反に該当するという見解が紹介されております。
ただ、今回の事例で結果、直接所有権移転取引の当事者同士になるという理由だけで、買主の地位の譲渡と同一に契約の当事者となるというものとはちょっと違うように思いましたが・・・・・
行政が受け付けてくれなくて、やみくもに時間が経過していくのも、依頼者の為にならないので、利益相反議事録を用意して印鑑証明書などを徴求してもらいました。
現在は、解消しましたが、最近も、本人確認情報における2号書類二点として「後期高齢者医療被保険者証」及び「介護保険被保険者証」を添付することが出来ないという法務局の見解があって、補正となっているとの情報がございました。
改善されることは有るかもしれませんが、法務局の見解に沿っていないと登記は受け付けられないのが現実です。慢心せず、気を付けた業務遂行を心掛けたいと思う今日この頃です。
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