◇戸籍の続柄欄◇

ここ最近、古い戸籍を見る機会が結構ありますむしめがね
歴史の授業で勉強したような時代「天保」、「弘化」、「安政」といった時代に生まれた方の戸籍では、現在では見ないような記載があったり、手書きの文字が達筆過ぎて読めなかったり、現在は使われていない難しい漢字や変体仮名が使用されていたりと、少し読みづらかったりはしますがすごく興味深いです鉛筆

戸籍の様式は明治から現在までで何度も変更があります。
例えば、大きな変化でいえば、旧民法では家の単位に戸主を中心としてその直系・傍系の親族を一つの親族として記載されている家督相続制度(家の単位)というものがありましたが、現在は夫婦親子単位で戸籍が作成されています双葉

平成に入ってからは、戸籍の電算化(コンピュータ導入)がされ、これまで縦書きであった戸籍が横書きに変わり、だいぶ読みやすくなっています人差し指サイン

そんな中、今回古い戸籍で初めて見たのが、ある戸籍の続柄欄の記載についてです。

そもそも戸籍とは、その人の出生から死亡に至るまでの間のすべてに関する事項を登録しているものですが、その中で重要なものの一つに父母との続柄があります。
ほとんどの場合、例えば姉妹2人であれば生年月日順に「長女」、「二女」というように記載されているかと思いますが、今回見ていた戸籍では、続柄欄に「女」という一文字のみが記載されていましたエディット

調べてみると、平成16年10月31日までは、嫡出でない子(※)の場合、父母との続柄欄には単に「男」、「女」と記載されていたようです電球
(※嫡出でない子とは、父母が婚姻関係にない間に生まれた子のこと。)

しかし、「戸籍においては、嫡出子(婚内子)と非嫡出子(婚外子)とが明確に判断できるように記載することが要請されているが、国民のプライバシー保護の観点から、その記載方法は、プライバシーの侵害が必要最小限になるような方法を選択し、非嫡出子であることが強調されることがないようにすべきであり、現行の続柄欄の記載は、戸籍制度の目的との関連で必要性の程度を越えており、プライバシー権を害している
との判断が東京地裁より示されたことを受けて、行政上の配慮として、戸籍法改正により平成16年11月1日から、戸籍における「嫡出でない子の父母との続柄」欄の記載などが変更されました星3

これによって、平成16年11月1日以降に嫡出でない子の出生の届出がされた場合、戸籍の父母との続柄欄には、母が分娩した嫡出でない子の出生順(同じ母の子でも、嫡出子は含まない順)に「長男(長女)」、「二男(二女)」等と記載されますスパーク
なお、既に戸籍に記載されている嫡出でない子で、「男」または「女」と記載されている場合でも、申出する事により同じように「長男(長女)」、「二男(二女)」等に変更することもできます花丸
(戸籍の続柄欄の記載を改めた事実を残さないように、申出により戸籍の再製もできるようになっています。)

戸籍を見れば、その人の出生に始まり死亡に至るまでの一生の身分行為を把握することができます。
外国にも出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書などはあったりしますが、その細かい変遷はわかりません。
こんな昔から戸籍として情報が残っているなんて、改めて日本の戸籍制度はすごいなあと思いましたモヤイ像きらきら

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