@第三者のためにする契約@

第三者のためにする契約・・・当事者の一方が第三者に直接債務を負担することを相手方に約する契約(民法537~539)

第三者が契約締結時に特定し又は存在することを要しない。
但し、第三者が受益の意思表示をすべき時には、第三者は現存し、特定していることを要する。

債務者は債権者に対し、第三者が受益の意思表示をする前にも、第三者に対する債務を履行するように請求する権利を取得する。

第三者の権利は第三者が債務者に対し契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。黙示の意思表示であってもよい。

なお、債権者、債務者間で第三者の受益の意思表示を待たずに当然に第三者が権利を取得する旨の特約はできない。

第三者に対し、付随的な負担を課すこともできる。
その場合、第三者は自己の負担を拒絶して利益だけを享受することはできない。

債務者は第三者のためにする契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる(民539)
この抗弁は事実の抗弁を含む。

当事者間において詐欺を理由に取り消された場合、受益者たる第三者はたとえ善意であったとしても、詐欺の第三者としては保護されず、債務者は第三者に対抗することができる。