◇亡名義相続の際に発行される登記識別情報について◇
以前のブログ(「相続登記で登録免許税が免除になる場合」)でもお話したことがありますが、相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合、当該土地の所有権を死亡した相続人の名義とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととされています。
(なお、期間は、平成30年4月1日から令和4年(2022年)3月31日までの間に延長されています。)
今回も、この免税措置を利用して相続登記を申請したのですが、一点うっかりしてしまいそうな部分を見つけたので記録しておきたいと思います☝
今回の申請の内容は、
父親と母親と娘さんの3人家族で、不動産は父親と母親の共有名義。
父親が死亡した後に遺産分割協議等しないまま母親も死亡。お子さんは娘さん1人のみ。
よって、
1件目で、父親から亡母及び娘さんを登記名義人とするための相続登記をして、
2件目で、亡母の持分全部を娘さんに移転する相続登記を申請しました。
1件目の申請では、亡母と娘さんの両方に登記識別情報が発行されます。
しかし、2件目で、結局亡母の持分も全て娘さんに移転することになるので、
亡母の「登記識別情報通知希望」の欄を“無し“で申請しました。
そしてここからが今回のポイントとなる部分のお話になるのですが、
今回の場合、2件目の登記も相続人である娘さんへの相続登記であったので、亡母の登記識別情報は必要ないため問題はないのですが、
もし、2件目が遺言による遺贈であった場合はどうでしょうか?
遺言によって不動産を相続人以外の第三者に遺贈する場合は、「遺贈」を原因とする所有権移転登記となり、相続人からの単独申請である相続登記とは異なり、受遺者と遺言執行者(又は遺言者の全相続人)の共同申請となります。
よって、添付書類として、亡母の権利書(登記識別情報)が必要となるのです⚠
この場合、1件目の申請で、亡母の登記識別情報の通知を希望していないと事前通知等の手続きをしなければいけなくなります。
なので、2件目が遺言による遺贈の登記申請の場合は、「登記識別情報通知希望」の欄を“有り“で申請しておかなければならないのです・・!
亡くなった方への識別情報の発行についてこれまであまり深く意識していませんでしたが、結構重要なポイントだと感じました。
実際に登記申請でストップしてしまう前に気づけてよかったです✿
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