◎自筆証書遺言の落とし穴◎
先日、登記手続きをさせて頂いた案件から皆様にお伝えしておきたいことを綴らせて頂きます。
今回の手続きは、自筆証書遺言による所有権移転登記手続きです。
法律専門家が関与する公正証書であれば、起こっていないミスの多いものでした。
自筆証書遺言は、自分で気軽に書けるので、負担なく楽ですが、効力が発生する際、落とし穴となることもあるので注意が必要です。
今回の自筆証書遺言の不備を列挙します。
①不動産の特定があいまい
②相続人ではない孫への遺贈なのに、相続させる遺言
③相続人ではない孫への遺贈なのに、遺言執行者がいない。
少なくても、上記のことは、我々が関与していたら、別のご提案をしていたと思います。
なぜ、困るのか。
①については、登記手続きを受け付ける法務局は、不動産の特定がないとどの不動産か分からないので、移転登記を受け付けないリスクがあります。
②については、相続人ではない人に相続させるという文言はそもそも使えません。遺贈すると記載する必要があります。
③については、遺言執行者を指定していないことで、結局、相続人全員の協力が必要になってしまうので、相続人の中で、遺贈の手続きに協力してくれない方がいらっしゃった場合に手続きはややこしくなる。
結局、今回は、上記不備の為、相続人全員から上申書を取り付け、①②の不備について、補完しました。
また、権利証も紛失していたことから、全ての相続人に事前通知による手続きをして、さらに、その間に、相続人のお一人がお亡くなりになられた結果、再度の手続きも余儀なくされて、大変時間も手間もかかってしまいました。
まあ、無事登記が完了できたので良かったですが、相続人のお一人でもその手続きに反対とか、行方不明、判断能力がないなど問題があった場合には、大変骨の折れることになったはずです。
また、我々であれば、予備的受遺者の提案もしていたかもしれません。例えば、そのもらい受ける人が遺言者より先に亡くなられた場合の対応についても補完する内容にするということです。
以上のことから、今回、遺言を残しておられたことは、非常に素晴らしいことなのですが、遺言作成の際、だれか法律家の監修を受けられることを強くお勧めします。
作成したものを、無料相談なりでも専門家のアドバイスをもらうことで、変わる未来があると思います。
遺言作成のご相談もお気軽になさって下さい。
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