◎決済登記の本人申請◎

不動産の売買による名義変更の時に、我々司法書士に依頼するメリットは、本人の申請ができないところを我々司法書士は代理申請をして、依頼者様の手間を失くすという仕事ももちろん大事な意味なのですが、それよりも、しっかり問題なく、名義が変わるということを確認して、売買代金などのお金の決済を実行するということの方が一番大事な意味を持つところだと思います。

 

最近、こちらの点を勘違いなされている方がちらほらいらっしゃいます。

自分の実家の相続登記を法務局に何度も通いながら、ご自身で完遂される方、抵当権抹消登記をご自身でされて、登記なんて簡単だと声高に決済現場に臨まれる方いらっしゃいます。

お金が動かない登記は、我々がしていても、気分的にも楽なものです。

身内同士の名義変更であれば、登記で失敗しても経済的、精神的なダメージは少ないかもしれません。

 

この点、第三者から不動産を購入するという多額のお金を支払うというのに、それをご自身でなされるとおっしゃる方は、肝の据わった方だと思います。売主から渡される書類をその場で、問題なしと判断して、お金を渡すという行為は自己責任溢れた勇気ある行為です。

売主がその場にいない場合、いかにしてその書類を取り付けたのか、その現場にある登記識別情報が失効されていないのか、決済当日の登記簿の状態が変わっていたら書類が整っていても登記はできないということすら、たぶん分かっていないからでしょう。

無知であることで、たまたま出来上がったことで、また、自分で登記が出来たと吹聴する姿が目に浮かびます。

買主であれば、自己責任で損失を被るのは自分なので、仕方ないことですが、売主側を自分でするとおっしゃられる方、買主側の迷惑は計り知れません。

結局、買主側司法書士の負担が増える結果となることが多いかと存じます。

やるなら、本気でしっかり取引の安全に帰するレベルでやってほしいものです。

そんなことをふと思った朝でした。

我々司法書士の仕事が、ただ登記手続きを代わりにしているというだけではなく、取引の安全の為に、取引決済現場で見えていないところの準備が一番大事であるということを何となく分かって頂ければ嬉しく思います。

 

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