@同時履行の抗弁権@
双務契約(当事者双方が債務を負っている契約)においては相手の債務の履行が提供されるまでは、自分の債務の履行を拒むことができるという、同時履行の抗弁権があります。(民法第533条)
例えば、売買でお金が支払われるまでは物は渡さないといったケースです
この同時履行の抗弁権を消滅させるためには相手方に対して債務の履行を提供する必要があります。
相手方に自分の債務の履行の提供をしたが、相手方が債務の履行をしない場合、債務の履行の提供は1回きりでよいのでしょうか
契約を解除する場合には、自分の債務の履行の提供を継続する必要はありません。(最判S35.6.22)
相手方に再度、債務の履行を請求するためには、自分の債務の履行の提供を継続する必要があります。(最判S34.5.14)
なぜなら、一方の当事者が1回履行の提供をしただけで、転売したり、財産状況が悪化したりしても相手方が同時履行の抗弁権を行使できないのは当事者の公平に反するからです
(同時履行の抗弁)
第533条
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。